問題にはさまざまな種類がありますが、 それらすべてが障害報告に値するわけではありません。 もちろん、誰しもが完璧ではありませんので、 実際はコマンドの構文を勘違いしていたり、 設定ファイルを書き間違えているのに、 プログラムにバグを見つけた! と思い込んでしまうことがあるでしょう (とは言っても、それ自身、文書が適切に記述されていなかったり、 アプリケーションのエラー処理が甘いことを暗示している可能性があります)。 それ以外にも、 障害報告を提出することが正しい行動ではなく、 あなたと開発者両方に不満を抱かせるだけという場合があります (訳注: はっきりと把握していないことを報告すべきではありません。 要領を得ない障害報告は扱いにくいものです)。 逆に、バグではありませんが障害報告を提出するのにふさわしい場合もあります ― たとえば、既存機能の拡張や新しい機能の搭載のようなものです。
では、何がバグで何がバグでないのか、 どのようにして決めれば良いでしょうか? 簡単な経験則では、それを質問として (よくあるのは 「どうすれば X できますか?」 や 「Y はどこで見つけることができますか?」 のような形式で) 表現できるなら、問題はバグではありません。 いつも白黒がつけられるわけではありませんが、 この質問規則は大半の場合にあてはまります。 もし、このような質問に対する答えを求めているのなら、 FreeBSD general questions メーリングリスト で質問してみてください。
FreeBSD general questions メーリングリスト へのメールは英語でお願いします。
日本語での質問は、FreeBSD users-jp メーリングリスト <FreeBSD-users-jp@jp.FreeBSD.org>
や
FreeBSD-beginners-jp メーリングリスト
などに送ってください。
ports または FreeBSD の一部ではない他のソフトウェアに関する障害報告を提出する際には、 以下に注意してください。
あるアプリケーションの新しいバージョンが利用可能という情報を知らせるだけの障害報告は提出しないでください。 ports のメンテナは、新しいバージョンが利用になった際には、 自動的に portscout から連絡を受けています。 もちろん port を最新版へアップデートするためのパッチの提出は歓迎されます。
メンテナンスされていない ports (MAINTAINER
が ports@FreeBSD.org
の ports)
に対するパッチが添付されていない障害報告は、
コミッタからは取り上げられにくいものです。
メンテナンスされていない port のメンテナになるには、
リクエストの障害報告を提出してください
(パッチがあることは好ましいですが、必須ではありません)。
いずれの場合も、Port 作成者のためのハンドブック で説明されている手順がもっともよい結果をもたらします (Contributing to the FreeBSD Ports Collection という文書も読んでみたいと思われるかもしれませんね)。
再現することができないバグは、めったに直すことができません。 もし、バグが一度だけ発生してそれが再現できないもので、 なおかつ他の人のシステムでも起こらないようであれば、 開発者がそれを再現できる可能性も、 何が悪いのかわかる可能性もありません。 これはバグが起こらなかったことを意味するわけではありません。 しかし、このような状況では、 あなたの障害報告がバグの修正につながる見込みは非常に薄いものです。 おまけに、この手のバグは実際は故障したハードディスクや過熱した CPU が原因で起きていることが多いのです (障害報告を提出する前には必ず、可能なら、 こうした原因を排除するよう努めるべきです)。
次に、誰に障害報告を提出するか決めます。 そのためには、FreeBSD を構成するソフトウェアがさまざまな要素で構成されていることを知っておく必要があります。
ベースシステムのコードで、FreeBSD
への貢献者によって書かれ、維持されているもの。
たとえば、カーネル、C ライブラリやデバイスドライバ
(kern
に分類されているもの)、
バイナリユーティリティ (bin
)、
マニュアルページや文書 (docs
)
やウェブページ (www
) があります。
この領域のバグは全て FreeBSD 開発者に報告してください。
それ以外の人によって書かれ、維持されているベースシステムのコードで、 FreeBSD に取り込まれ、FreeBSD に合わせて変更されているもの。 たとえば、clang(1) や sendmail(8) があります。 この領域のバグのほとんどは FreeBSD 開発者に報告すべきですが、 問題が FreeBSD 特有でない場合には、 おおもとの作者に報告してください。
ベースシステムではなく FreeBSD Ports Collection
(ports
カテゴリ)
の一部である個別のアプリケーション。
そのほとんどは FreeBSD が書いたものではありません。
FreeBSD が提供しているのは、
単なるアプリケーションをインストールする枠組みです。
したがって、問題が FreeBSD 特有であると考えられる場合にだけ
FreeBSD 開発者に報告してください。
それ以外は、そのソフトウェアの開発者に連絡してください。
それから、問題が時宜を得たものかを確認してください。 既に修正したバグに関する障害報告を受けとることほど開発者を悩ませるものはまずありません。
ベースシステムの問題で、FreeBSD のバージョンについてよく分かっていないなら、まず FAQ の FreeBSD バージョンに関する節を読んでください。 FreeBSD では、 ベースシステムのいくつかの最新ブランチ以外は修正できません。 そのため、古いバージョンについて障害報告を提出しても、 開発者からは、問題がまだ起きるかどうかを確認するために、 サポートされているバージョンにアップグレードするように勧められるだけかもしれません。 セキュリティオフィサチームが、 サポートされているバージョンの一覧 を管理しています。
ある port に問題がある場合、 開発元にバグを報告することを考えて見てください。 すべてのソフトウェアのすべてのバグに対し、FreeBSD プロジェクトが修正することは不可能です。
本文書、および他の文書は https://download.freebsd.org/ftp/doc/ からダウンロードできます。
FreeBSD に関する質問がある場合には、
ドキュメント を読んだ上で
<questions@FreeBSD.org> まで (英語で) 連絡してください。
本文書に関する質問については、
<doc@FreeBSD.org> まで電子メールを (英語で) 送ってください。